サウジアラビア王国(KSA)は、ベドウィンの原郷、そして世界最大のオアシスであり、ラクダの売買が古くから行われていることで知られています。では現代のビジネスはどうでしょうか。
若い人口を抱え、インターネットやスマートフォンの普及率が伸びており、政府がeコマースの発展に力を入れている…これはサウジアラビアにおけるオンラインショッピングへの迅速な適応を後押しする、重要な要因となっています。サウジアラビア通信情報技術委員会は、「地元のオンライン販売業者、新興企業、在宅ビジネスに加え、地域および国際的な大企業も多く、サウジアラビアに投資することで物理的なプレゼンスを拡大している」と発表しています。
サウジアラビアにおけるドロップシッピングのメリットについては下記をご覧ください。
サウジアラビアは中東に位置し、アラビア半島の8割を占めている国です。首都はリヤドで、隣国はアラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、カタール、クウェート、イラク、ヨルダンです。2022年1月のData Reportalによると、人口は3,559万人、年齢の中央値は32歳です。
世界有数の石油輸出国であるサウジアラビアは、世界の総埋蔵量の5分の1を占めています(ブリタニカ)。
同国のGDPは7,001億米ドル(2020年 世界銀行)です。
2016年にサウジアラビアの国家変革プログラムが開始されて以来、同国の経済は多様化とデジタル化の受け入れに取り組んできました。プログラムでは、「サウジ・ビジョン2030」の達成に必要なインフラを構築することが目的とされています。
サウジアラビアは、非石油部門の潜在力を引き出すために、デジタル経済の発展を進めており、これはドロップシッピングを含む電子商取引事業を展開する新興企業にとって大きな可能性を示唆しています。
サウジアラビアにおけるドロップシッピングのメリットのまとめは以下の通りです:
英国、米国、中国などのeコマース先進国と比較すると、中東・北アフリカ(MENA)諸国はまだ発展途上にあります。MENAのeコマース市場シェアは2.7%、サウジアラビアは5.9%で、世界平均では18%となっています。隣国のアラブ首長国連邦にならい、サウジアラビアはデジタルビジネスの強国になるための基礎的な条件を備えているといえるでしょう。この統計は、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)、2021年のデータで示されています。
ecommerceDBによると、2021年、サウジアラビアは80億米ドルの収益を上げており、eコマースの27番目の市場としてリストアップされています。この現状を踏まえ、オンラインショッピングの人気の高まりと利便性を考慮すると、さらなる改善が期待できます。
今後、オンラインショッパーの数は2018年の1290万人から、2022年には1930万人に達すると予測されています(Statista)。
サウジアラビアの購買習慣の違いに気づいたeコマースサイトは、「この地域の消費者の約83%が、2022年のeコマース支出を前年比で維持または増やすだろうと答えている」と発言しています(Alarabiya News, 2022年)。
このオンライン企業では、サウジアラビアでの取引量がここ数年で470%も増加しており、同企業はこれを「消費者の購買行動の変化を示すもの」だと指摘しています。
ecommerceDBによると、2021年、サウジアラビアで最も人気のあるオンライン購入商品は以下の通りです:
2022年、サウジアラビアの人口の97.9%がインターネットを利用し、ドロップシッピングビジネスに大きな可能性をもたらしています(Data Reportal)。
MENA地域が秀でているものがあるとすれば、それは光速回線のインターネット環境です。UAE、カタール、クウェートはサウジアラビアと並んで、最速のモバイルインターネットを提供する世界の上位8カ国に君臨しています(Statista、2021年)。これは、先進国における市場のほとんどを上回る数値なのです。
2022年2月現在、サウジアラビアにけるアクティブなソーシャルメディアユーザーは2930万人であり(Data Reportal)、これは全人口の82.3%に相当します。興味深いのは、人気プラットフォームの広告利用者です。Facebookでは76.1%、YouTubeでは60.1%、Instagramでは58.4%、TikTokでは60.9%、LinkedInでは77.8%が男性の広告利用者となっています。
2021年のeMarketerによると、サウジアラビアの16歳から64歳のインターネットユーザーの98%以上がスマートフォンを所有しています。これはノートパソコンやPC(54.3%)、タブレット(29%)、スマートウォッチ(25%)の所有率をはるかに上回っていることが、2022年のData Reportalの調査により分かっています。またサウジアラビアの人々は1日平均8時間5分インターネットを利用しているとされ、eコマース小売業者にとっては十分なインフラを確保している国民にリーチすることができる絶好の機会となるでしょう。
サウジアラビアで、最も利用しやすい配送サービスプロバイダーはAramexです。2021年のecommerceDBの調査によると、オンラインストアの42%が配送業者の1つとしてAramexを挙げています。サウジアラビアのeコマースストアが提供する配送サービスでは、Aramexと並んでDHLとUPSが上位を占めています。
ここでご紹介した内容をまとめると、サウジアラビアは超高速インターネットを有するデジタル国家であり、国民はオンラインショッピングを楽しんでいます。サウジアラビアは、eコマース市場の世界的リーダーと肩を並べるべく努力を続けており、現段階でもドロップシッピングは賢明なビジネス投資であると言えます。道路インフラが整備され、評判の良い配送業者も存在しているため、カスタマーへの商品配送は迅速に行われるでしょう。
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